Wi-Fiの電波って2.4Gと5Gどっちを使えばいいの?!
こんにちは!宇都宮市のホームページ作成事務所あっとほーむの藤本です。
ご自宅で使われているWi-Fiルーターの電波、2.4GHz帯と5GHz帯、どちらを使われていますか?
今回は、2.4GHzと5GHzの電波の違いについてご説明しようと思います。
強み!障害物に強いのは2.4GHz、スピードが速いのは5GHz!
簡単にまとめましたのでご参考になれば幸いです。
2.4GHz | 5GHz |
最も古くから使われている帯域 特徴:障害物に強く、広い範囲をカバーできる 欠点:電子レンジ、Bluetooth、コードレス電話などと干渉しやすい 対応規格:Wi-Fi 1(11b)、Wi-Fi 4(11n)、Wi-Fi 6 など | 高速通信が可能で、干渉も少ない 特徴:通信速度が速い、動画視聴やオンラインゲームに向いている 欠点:壁などの障害物に弱く、届く距離が短め 対応規格:Wi-Fi 5(11ac)、Wi-Fi 6(11ax)など |
弱み!2.4GHzは電波干渉に弱い!5GHzは遮蔽物に弱い!
結構、ご相談を受けることがあるのですが、電波干渉の原因があり過ぎて原因を特定するのはかなり難しいです。
なので、2.4GHzか5GHzを使うかは実際に使ってみて途切れない方、より速いほうを選ぶしかないですね・・・m(_ _)m
電波干渉がいっぱい!!2.4GHz帯の電波は家中の家電で使われています!
テレビで2.4GHzの電波が使われる主な用途は以下のようなものがあります。
1. ワイヤレスAV送信機(無線AVトランスミッター)
テレビの映像や音声をワイヤレスで別の部屋や別のテレビに送信するための機器が、2.4GHz帯を使用することがあります。これにより、AV機器の設置場所を自由に選べるようになります。
2. Wi-Fi(無線LAN)接続
スマートテレビ(インターネット対応テレビ)では、Wi-Fiを使ってインターネットに接続することが多いです。Wi-Fiの2.4GHz帯は、多くの機器と互換性があり、壁や障害物を越えやすい特性を持っています。
3. Bluetooth機器との接続
一部のテレビは、Bluetoothを使用してワイヤレススピーカーやヘッドホンと接続できます。Bluetoothも2.4GHz帯を利用するため、これに該当します。
4. ワイヤレスリモコン
通常の赤外線リモコンではなく、2.4GHz帯の無線通信を使うリモコン(RFリモコン)が使われることがあります。これは、障害物があっても操作できるというメリットがあります。
5. スクリーンミラーリング・キャスト機能
スマートフォンやタブレットの画面をテレビにワイヤレスで映す「ミラーリング」機能(Miracast、Chromecastなど)は、Wi-Fiの2.4GHz帯を利用する場合があります。
その他にも、安いLED電球、LEDライトもノイズ対策が不十分なものは電波干渉を起こす可能性があります。
なんで世の中こんなに2.4GHzばかり使われているの?!
これには歴史的・物理的・制度的な理由があります。
理由1:国際的に「免許不要」で使えるISMバンドだから
- 2.4GHz帯は ISMバンド(Industrial, Scientific, Medical band:産業・科学・医療用周波数帯) に指定されています。
- 各国で「免許不要で自由に使える共用帯域」とされていて、誰でも使える(規格を満たせばOK)。
- そのため、世界中の機器メーカーが採用しやすかったのです。
👉 Wi-Fi、Bluetooth、電子レンジ、コードレス電話など、幅広い機器に利用されています。
理由2:波長の性質がちょうど良い
- 波長が約12.5cm → 壁や家具をある程度通り抜けやすい。
- 周波数が高すぎず低すぎず、屋内での通信にちょうど良い。
- 高すぎると届かない(60GHz WiGigは数メートルしか届かない)、低すぎると帯域幅が狭くてデータが遅い(数百MHz帯など)。
👉 家庭やオフィスでのワイヤレス通信に最適なバランスでした。
理由3:当初は「空いていた」から
- 1980〜90年代、2.4GHz帯はまだ無線通信にあまり使われておらず、電子レンジくらいしか大きな利用がなかった。
- そこにIEEE 802.11(Wi-Fi) や Bluetooth が登場して普及の足がかりになった。
理由4:コストが安い
- すでに大量の機器で使われているので、部品(アンテナ・無線ICなど)の量産効果が働き、コストが安い。
- 新しい帯域(5GHzや6GHz)対応チップよりも普及価格帯で提供しやすい。
2.4GHzの電波が遮蔽物に強い理屈は?!
「2.4GHzの電波が遮蔽物(壁や家具など)に強い」というのは、電波の波長の長さと、物質との相互作用で説明できます。
1. 波長の長さの違い
- 2.4GHzの電波の波長は 約12.5cm。
- 5GHzの電波の波長は 約6cm。
波長が長いほど「回折(回り込み)」が起きやすく、障害物を避けて伝わりやすくなります。
つまり、2.4GHzは壁の角を回り込んで進む力が強いのです。
2. 物質による吸収・透過特性
- 電波は、遮蔽物の厚さや材質によって吸収・反射されます。
- 木材や石膏ボードは電波をある程度通しますが、金属やコンクリートは吸収・反射が強いです。
- 波長が長いほど、物質の細かい隙間を「無視して通り抜ける」効果が働きます。
例えば、2.4GHzは木の壁や床ならある程度通りますが、電子レンジの金属ケースには遮断されます。
3. 周波数とエネルギーの関係
- 周波数が高いほど(例:5GHzや6GHz)、電波の「エネルギー」は高いですが、物質にぶつかると吸収されやすい性質があります。
- 逆に、周波数が低い(波長が長い)と、物質内部に浸透して進む割合が高くなります。
じゃあ5GHz帯の電子レンジや家電製品はできてこないの?
結論から言うと、5GHz帯を使う電子レンジなどの家電は、現状ほとんど存在しません。
なぜ電子レンジは「2.45GHz」なのか?
- 水分子の共振周波数に近い
- 水分子は 2.45GHz 前後でよく振動する性質があり、食品中の水分を効率よく加熱できる。
- 5GHzにしても加熱は可能ですが、効率が落ちる(加熱ムラ・消費電力増大)。
- 国際的なISMバンドに指定されている
- 2.4GHz帯は「免許不要で誰でも使える帯域」に世界的に決められている。
- 電子レンジも国際的にこの帯域を利用するのが標準になっている。
5GHz帯の家電が出にくい理由
- 加熱効率が悪い → エネルギー消費が増えるので家庭用には不向き。
- 安全規制が未整備 → 2.45GHzは各国で基準があるが、5GHzレンジは新しい規制を整える必要がある。
- Wi-Fiとの干渉問題 → 5GHz帯はWi-Fi(802.11ac/ax)で広く使われているため、レンジが出す強力な電波が干渉すると通信が壊滅的に遅くなる可能性がある。
まとめ
- 電子レンジは「水を効率よく温められる」「国際的に免許不要で使える」ことから 2.45GHzに固定化されている。
- 5GHz帯のレンジや家電は、効率・規制・干渉の問題があるため、ほぼ登場しない見込み。
- 将来もし出るとしたら、特殊用途(業務用・研究用)であり、一般家庭向けはまず2.4GHzが主流のままです。