なぜ投票所は『鉛筆』なのか?!
こんにちは!宇都宮市のホームページ作成事務所あっとほーむの藤本です。
先日の衆議院選挙の投票には持参したボールペンで投票用紙に記入しました。
身分証明書を提示する必要がなく、さらには消しゴムで消せてしまう鉛筆で書かせたら不正できてしまうんじゃないの?!と選挙のたびに思っていました。
調べてみたらそうでもないことが分かったので次からは据え置きの鉛筆を使おうと思います。
ちなみに自分のボールペンを使っても違法ではありません。
結局、鉛筆は合理的
①投票用紙は特殊紙で簡単には消えない。
②安価で大量配布できる。
③気温や保管状態に影響されにくい。
投票用紙の紙質って実はスゴイ!
投票用紙は 「ユポ(Yupo)」という合成紙(プラスチック系・ポリプロピレン)が使われています。
見た目は紙、でも中身はほぼフィルムです。
日本の王子油化合成紙(現・王子エフテックス)と合成紙メーカーが共同開発した、日本発の技術です。
すごいポイント①「折っても自然に開く」
- 投票所では用紙を二つ折りにして箱に入れます
- 開票時、勝手にパカッと開く
すごいポイント②「鉛筆が最適解になる」
- 表面がツルッとしている
- でも実は表面をミクロレベルでザラつかせて鉛筆の黒鉛はしっかり定着
- でもインクもにじみにくい
- 消しゴムで消そうとすると表面が荒れて即バレる
すごいポイント③「破れにくい・水に強い」
- 水に濡れてもOK
- 多少引っ張っても破れにくい
- 長時間数え続けても劣化しにくい
すごいポイント④「偽造しにくい」
- 市販ではほぼ手に入らない
- 印刷の質感が独特
- 重さ・厚み・反発力が一定
家庭用プリンターで再現ほぼ不可能!
実はコストも高い
- コピー用紙の数倍以上
- でも全国民分を毎回印刷
それでも使う理由は明確で、「疑われない選挙」を守るため!
なぜ顔写真付き身分証明書で本人確認しないのか?!
①日本は『性善説』と『事前管理型』
- 選挙人名簿は事前に厳格に作成
- 投票所では「名簿に載っているか」「投票済みでないか」を確認
- 二重投票は重い罰則があり、割に合わない
●二重投票やなりすまし投票は刑事罰(犯罪として扱われる)の対象になります。
・2年以下の懲役または禁錮
・または25,000円以下の罰金
●刑罰だけじゃない『公民権停止』
・選挙権、被選挙権が停止されることがあり、たとえば、5年~10年選挙に参加できなくなることがあります。
②身分証必須にすると困る人がでる
- 高齢者
- 写真付き身分証を持っていない人
- 身分証を紛失・期限切れの人
③投票所は『完全匿名』が原則
- 本人確認を厳密化すると『誰が』『誰に』投票しかた、投票内容が結びつくリスクがあります。
- 日本では匿名性を最優先
じゃあ、不正はおきないの?!
例えば、高齢で体が不自由で投票に行けない人に『代わりに投票してきてあげる』と背格好が似ている人が言ってきて、『じゃあ頼む』となった場合、不正は可能です!
しかし、現実的には、(国政選挙の場合)起きたとしても規模が小さく結果を左右しない、不正よりも投票しづらくなる弊害の方が大きいと考えられているようです。
選挙結果が変わるほど本気でやるとしたらかなり大規模犯罪になりますので痕跡が残る確率が高くなります。
ひとりひとりが口裏を合わせることも難しいでしょうし、逆に全員が口裏を合わせていても不自然ですよね・・・(;^ω^)
まとめると・・・
・なりすましは『起きうる』
・でも大規模化しにくい
・それより、誰でも投票できることを優先
完璧ではないけど、一番マシな不完全解なんですね・・・。
実際によく行われていること(合法だが際どい)
- 「一緒に投票所に行きましょう」
- 「もう決めてますよね?」
- 「紙に書いておきましょうか?」
高齢者・判断力が弱い人への強い誘導は立証がほぼ不可能で取り締まれないようです。
じゃあ、インターネット投票は実現できないの?!
結論からいうと、99.9%難しいと思いました。
簡単に言ってしまうと、現行の1枚1枚、投票用紙に書く方式より、不正が発生した場合の規模が大きくなってしまいます(-_-;)
選挙に必要な「同時に満たす条件」
- 本人確認が100%近く確実
- 1人1票が保証される
- 誰に投票したかは完全に分からない(匿名)
- 改ざんされない
- あとから不正があったか検証できる
- 国民全員が理解・納得できる
「本人は特定するが、投票内容は誰にも分からない」という矛盾した条件を同時に満たす必要があります。
セキュリティ面の現実的な問題
① 端末が信用できない
- ウイルス感染したPC・スマホ
- 偽アプリ・フィッシング
- 家族や職場からの「投票の強要」
投票所なら「1人・その場・秘密」ですが、ネットだと環境を制御できません。
② なりすまし対策が超難しい
- マイナンバー+生体認証でもID流出・代理投票は防ぎきれない
特に怖いのは「本人が投票したつもり」でも、裏で書き換えられること。
③ 攻撃対象として魅力的すぎる
- 国家レベルのサイバー攻撃
- 内部犯行
- ソースコード改変
銀行システムよりも狙われます。
「お金」より「国の方向性」が変えられるから。
じゃあ、手書きじゃなく選んでボタンを押すとかはダメなの?!
日本でも一部では使われていますが、広がってはいません。
全国規模・国政レベルで広く使うには、まだ課題が多いというのが現実のようです。
ボタンを押したらその先で何が起きているかは分からないわけで、選挙に必要な「同時に満たす条件」をクリアできていませんね。
ソフトのバグ、プログラムのミス、悪意あるプログラムの改ざんなど、当選させたい候補者のボタンを押したのに、別の候補者に票が入るようになっていたら取り返しがつきません。
紙なら再集計できますが、電子だとそれも難しいですよね・・・(-_-;)
じゃあ、ボタンを押したら候補者名が印刷された投票用紙が出てきてそれを投票すれば良いんじゃね?!
これが最もマシな方式ですが、日本では機械を信じきれない(故障など)という理由で本格導入はされていません。
現行の紙での投票の良い点
- 紙は不正が無かった証明
- 一般人にも分かる
- 人間か介在する不正は、小さく足が残る
- 投票・開票で不正が起きても誰かが止める
人も、機械も、制度も単体では信用しない、でも代わりに、『たくさんの小さい信用を積み重ねる』ということなんですね(^^)
じゃあ、開票する人は、特定の政党支持者や宗教の信者はいないの?!
開票する人は「思想・政党・宗教」で確認されません!
憲法違反だそうです。
日本国憲法の原則
- 思想・信条の自由
- 信教の自由
- 政治的立場による差別禁止
「あなた、◯◯党支持ですか?」
「◯◯学会員ですか?」
と聞くこと自体がアウトです。
じゃあ、開票作業はどういう人がやっているの?
① 自治体職員
- 市役所・町役場の職員
- 選挙管理委員会の指揮下
- 多くは毎回ローテーション
② 会計年度任用職員・臨時職員
- アルバイト的に集められる
- 学生、主婦、社会人、退職者
③ 立会人(ここが重要)
- 候補者・政党が指名
- 「相手陣営の目」が入る
- 開票作業をガン見している人たち
④開票状況を動画で配信
手元や票の束、仕分けの動きなどを『見られている』ことがかなりの抑止になりそうです。
証拠としても残ります。
開票は一人で完結しない!
- 読み上げ
- 仕分け
- 記録
- 確認
最低でも複数人の目と手が入ります。
数が合わなければ即アウト!
- 投票数
- 交付数
- 残票
どこか1票ズレただけでその場でストップとなります。
もし、ズレた場合は、再点検、再集計、立会人全員で確認、原因究明が行われます。
ちなみに、投票用紙は、『配る時』と『集めたあと』の「2回」きっちりカウントされています。
カウントされているもの
- その投票所に用意した投票用紙の総数
- 実際に有権者に渡した枚数
- 投票しなかった人の数
- 残った未使用の用紙
「来場者数」と「交付枚数」は必ず一致します。
結論!
何で投票するかより
「行かない」という選択が
一番多い現実の方が、よほど深刻なのかもしれない。



